実は新たな事業展開として、お客様に経理代行業務を提供していきたいという計画があり、それをテレワーク派遣を活用してできないかとエンプロさんに相談したのが始まりです。テレワーク派遣であれば、よりスキルの高い方を採用しやすいというお話もありまして。

経理代行業務の事業を本格スタートする前の仕組みづくりとして、テレワーク派遣のスタッフの方には、顧問先の会計データの入力業務をメインにお願いしています。スタッフの方は3名で、1日5～6時間、週に3～4日のボリュームで月に50件ほどの顧客先を担当してもらっています。

やはり一番注意したのは、セキュリティ面でした。当初は、派遣スタッフの方のパソコンから会社のパソコンに入っていただき、遠隔操作で作業をしていただいていたのですが、現在は弊社のＶＰＮシステムを搭載したパソコンを貸与しています。ご家庭のパソコンからログインすることがなくなったので、セキュリティ面はより強化されたと思います。

テレワークを導入するにあたり一番の課題となるのが、入力するための資料をどういう形でもらうかということだと思います。以前から、お客様にスキャナーを用意していただくなど、データでいただくための働き掛けはしていたのですが、対応が難しいお客様もいらっしゃいます。そこで、弊社のほうでアルバイトを雇い、紙で送られてきた月次の資料をスキャンしてデータ化するチームを作りました。それによりスムーズに業務を進めることができています。また、経理設計図をしっかり作るということを徹底しています。経理設計図とは、お客様によってどういう経理の処理が必要で、そのためにどんな資料が必要かなどをまとめた顧客カルテのようなものです。チェックリストや申し送り事項を記入する欄を設けたりし、それを見れば誰でもある程度の作業ができるようにしています。

まず、スキルの高い人材を採用しやすいということ。直接採用では難しい会計事務所経験者や、会計業務に精通された方を採用できたのがよかったです。また、社内に席を確保しなくてもよく、交通費がいらないなど経費面のメリットもあります。さらに二次的なメリットとして、派遣スタッフの方に仕事を依頼するために、経理設計図を作る、顧客先から予定通りに資料を集めるといった業務への意識が高まり、社内業務の平準化や効率化にもつながっています。

まず経理代行のプロジェクトに関して、社内でしっかりと仕組みを固め、派遣スタッフの方にお任せできるようにしたいと思っています。弊社は今、積極的に業務の拡大を図っています。そのためにはスタッフの確保が最重要課題になります。規模の拡大に合わせて社員の採用も進めていますが、追い付かない部分もありますので、そんな時に派遣スタッフの方がいると、こなせる業務に幅ができ余裕が生まれると思います。一時的な社員の負担を軽減するという観点からも活用していきたいと思っています。

テレワークの場合、いかにコミュニケーションを図っていくかが大事だと思います。そのためにはチャットワークなど、情報共有ツールを上手に使うこと。弊社ではテレワークの方をまとめる担当社員を決め、情報共有ツールでのやりとりは全てその社員が行っています。また、テレワークチームの方とのウェブミーティングも定期的に行っています。コミュニケーションを円滑にすることで、お互いに仕事のやりやすい関係ができていくと思います。