コロナ禍において事務所で一部テレワークを導入した時の経験から、これからはテレワークも働き方の選択肢の一つとして考えていく時代なのだなと思っていました。ここ呉市は人口がどんどん減少しており、広島に出ていく人も多いので、新しい人材を見つけることは至難の業になっています。そう考えると、より層の厚い地域の人材を活用するためにテレワークという働き方をメインの働き方として真剣に考えていかないと、事務所の経営が成り立っていかないのではないかという危機感を持っていました。そんな時、関与先から給与計算の入力を手伝ってくれないかという依頼があったんです。給与計算だけの仕事なので業務が限られており、テレワークにもしやすいと思い、エンプロさんにお願いした次第です。

ええ。エンプロさんは東海地区を中心に事業展開されていたので、当初は名古屋の方に在宅でお仕事をお願いするつもりでしたが、たまたま広島の方からエントリーがあり、それもスキルの高い方だったのでびっくりしました。在宅という働き方を希望している方が多く、テレワークにすることで優れた人材が採用できるということを実感しました。

私の方で用意したパソコンをスタッフの方に貸与する形で、会計システムなどは全て入れ込んだ形でお渡しし、システムを組み上げました。セキュリティに関しては、事務所のレベルがキープされていれば特に問題はないと思います。ただ、テレワークを始めるにあたり、それを運用するための規約などはしっかり決めておく必要があると思います。

紙媒体ではなく、全て電子化されたデータでやりとりできるのがいいですね。クラウド上でタイムリーにやりとりできるので、確認しながら私も同時にその仕事を処理していくことができます。クラウド上で仕事ができますから、私がどこにいてもできます。私自身、いろんな用事で事務所を留守にしていることが多く、気付いたら多くの時間をテレワークしていたんです（笑）。お互いにテレワークでも全く支障なく、効率良く仕事をこなせています。

実はテレワークに取り組むことによって、業務の電子化を加速度的に進めることができたんです。電子帳簿保存法が施行され、今後は確実に電子化が進んでいくと思われますが、テレワークを導入するなど、何かきっかけがないと従来のスタイルからなかなか抜け出せないものです。テレワークをすることで紙がなくなり、それがスタンダードに変わっていきます。やりながら電子化のノウハウも蓄積していけるので、いち早く取り組むメリットは大きいと思います。

この先、順次、定年退職者が出てくるのですが、その時に社員を募集して補充するというのはかなり難しくなってくると思います。ですからその分をテレワーク派遣に切り替えていくのもいいかなと思っています。どれくらいの割合にするかというのは今後の課題ですが、3分の1から半分くらいは、テレワークに切り替えてもいいかなと思っています。

とくに今は電帳法が施行され電子化を後押ししてくれますから、テレワークを導入するには絶好のチャンスだと思います。新しい仕組みはどんどん出てきますから、それに対応して階段を一段ずつ上がるように順番に取り組んでいく必要があります。時代に遅れないように少しずつトライし、チャレンジしていくのがいいと思います。それが来るべき未来に生き残るための道ではないかと思います。