以前、若手社員の退社が重なり、募集をかけていた時に税理士会の会報誌でエンプロさんのことを知りました。それまで派遣を利用したことはなかったのですが、税理士会と提携している会社なら間違いないだろうと思い、お願いしたのが始まりです。

確定申告を控えた時期で、退職者が3名もいたので、実はすごいピンチでした。正社員の採用も考えたのですが、退職者は若手社員でまだ仕事量が少なかったこともあり、即戦力となる派遣スタッフの方なら1名でも乗り切れるのではないかと思い、結局パートタイム派遣で、週3日、1日5～8時間という勤務で頑張っていただきました。それが成功したことで、派遣活用という今の流れになっていると思います。

会計事務所というのは、特に情報漏洩の問題に敏感ですので、派遣サービスを活用することに対してお客様がどう思われるのか少し心配もありました。ところが、全くの取り越し苦労でした。お客様の中でも、経理や総務人材に派遣スタッフの方を採用されているところが増えていますので、派遣サービスに対する理解が進んでいると感じました。

現在は、産休育休に入る社員の代替という形で派遣スタッフの方に来ていただいており、主に記帳代行の業務などをお願いしています。また、最初に派遣採用した方は派遣期間が満了後、直接雇用に切り替えていただきました。

派遣スタッフの方が、他の事務所も経験されている方ですと、他の事務所のやり方の良い所などを取り込んでいけるなど、いろいろな気づきがあります。また派遣スタッフの方は時間に関する感覚がすごくシビアなので、時間内で効率よく仕事をこなすという意識の高さなども、社員にいい影響を与えていると思います。

ええ。現在、派遣から直接雇用に切り替えた方がテレワークというスタイルをとっています。この方は、ご主人の仕事の関係で現在京都に住んでいます。経験豊富でスキルが高い方でしたので、京都への転居が決まった際に、テレワークでの継続勤務をお願いしました。テレワークにするにあたり、担当してもらう仕事を電子化が進んでいるお客様の経営分析的な業務やクラウドでできる各種申告書の作成業務などに整理しました。まだまだ課題はありますが、今のところうまくいっていますので、今後の展開に備え継続していきたいと考えています。

多分、セキュリティ面を気にされると思いますが、パソコン環境を整えて専用回線でつないでいれば税理士法的にも問題ないと思います。管理監督の問題に関しても、チャット機能を使ってやりとりするということでクリアできます。テレワークにすることで、出勤準備にかかる時間や通勤時間がなくなり、その分、心にも余裕が生まれ、生産性も上りますので、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょう。

今の若い経営者の方は提案型の会計事務所を求めていますので、提案業務を強化していく必要があります。その際、有効なのがパートタイム派遣です。標準化された日常業務は派遣の方に任せれば、正社員は提案業務の方に比重を移すことができるでしょう。提案型にすることで、一人当たりの売上高が高い事務所にしていきたいと考えています。そのためには、若い人を育てる仕組みを作ることも大切ですので、今後、正社員の採用はインターンシップを、中途採用に関しては派遣から直接雇用へというルートを主流にしていく予定です。