2024.09.13
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適切な派遣会社を選ぶポイントにも!「派遣会社の“マージン率”その内訳とは?」
派遣サービスを利用する際に気になるのが「派遣料金」。その派遣料金と大きく関係しているのが「マージン率」と呼ばれるものです。今回は、派遣サービスを利用する際に知っておきたい「マージン率」についてご紹介します。
「マージン率」とは?
派遣先が派遣元である派遣会社に支払う料金のうち、派遣社員に支払われる給与分を除いた部分が「マージン」と呼ばれるもの。「マージン率」とは、派遣料金のなかで、そのマージンが占める割合のことを言います。一見、「マージン=派遣会社の利益」と考えられがちですが、マージン部分には社会保険料や派遣会社の運営に必要な経費などが含まれているため、「マージン=派遣会社の利益」とはなりません。
ここで「派遣料金の構造」をチェック!
派遣料金は、下表のように、派遣会社から派遣社員に支払われる給与と、それ以外の費用、いわゆるマージンの部分によって構成されています。派遣社員に支払われる給与は、労使協定または派遣先の同種の業務に従事する労働者との均等・均衡を考慮して決められます。派遣社員に支払われる給与以外の「マージン」には、社会保険料の事業主負担分、派遣社員の有給休暇の費用のほか、諸経費や営業利益が含まれます。それぞれの主な割合は下表の通りで、「マージン率」は人材派遣会社によって異なりますが、一般社団法人 日本人材派遣協会のデータによると、おおよそ30%前後であるとされています。
<マージンの主な内訳>
【法定福利費】
派遣社員には健康保険、介護保険、厚生年金、労災保険、雇用保険が適用されます。これら社会保険料のう事業主負担分は、法定福利費としてマージンから支払われます。
【派遣社員の有給休暇費用】
派遣社員が有給休暇を利用した際の賃金もマージンに含まれます。
【事業運営費】
事業運営費は、会社を運営していくために必要な経費です。オフィスの家賃、電話・インターネットなどの通信費、PCなど必要な機材や消耗品、担当営業の人件費なども含まれます。
【広告宣伝費】
派遣スタッフを集めるために、求人サイトをはじめWeb広告、SNS広告、テレビCMなどさまざまな広告媒体を利用します。こうした広告にかかる費用もマージンに含まれます。
【教育訓練費】
派遣社員の研修やスキルアップをサポートするための教育費用。
【営業利益】
マージンとなる部分から上記の必要経費を全て差し引いた後に残る金額が営業利益となります。
上記からも分かる通り、「マージン」には派遣社員の福利厚生やスキルアップに関わる費用も含まれています。したがって、マージン率は低いから良いというわけではありません。マージン率が低い場合には、派遣社員の教育費や福利厚生が削減されている可能性もあります。適切なマージン率で運営されているかどうかも、派遣会社を選ぶポイントになります。
「マージン率」の計算方法
最後に、「マージン率」の計算方法についても紹介しておきます。「マージン率」は、派遣先企業から派遣会社に支払われる①「派遣料金の平均額」と、派遣会社が派遣社員に支払う②「派遣社員の賃金の平均額」から算出されます。
(①「派遣料金の平均額」-②「派遣社員の賃金の平均額」)÷ 派遣料金の平均額×100
【例/①が15000円で②が10500円の場合】
(15000円①-10500円②)÷15000円×100=30(%)となり、マージン率は30%となります。
※エンプロでも「マージン率」を公開しています。下記にてご確認ください。
労働法におけるマージン率の公開
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※上記の記事は、2024年7月に発行された「マイシフトプレスVol.7」に掲載されたものです。掲載している情報は2024年7月時点のもので、法改正などにより変更される場合がありますので、最新の情報は関係機関のホームページ等でご確認ください。