ヒューマンスキル研修と
女性活躍支援のプロが教える
転職で失敗しないための3か条
ビジネスパーソンに向けたさまざまな研修を行う一方で、女性の活躍を支援する活動を展開している
「アット・ワンス株式会社」の代表取締役、杉本美晴さんに伺いました。
Advice 01「今の自分を知る」
まずは今の自分を冷静に分析してみることが大事。
そこから次のステップが見えてきます。
転職したいと思ったとき、最初にやるべきことは自分の今の状況をしっかりと把握すること。そもそもなぜ転職したいのか、自分に問い直してみることで、今の仕事や職場では満たされていないことが何なのかが確認でき、転職先に求める条件も整理できます。自分を知るための方法として、仕事に対する充実感を振り返るキャリアチャートを作ってみたり、仕事を選択する際に重視するキャリア・アンカーをチェックしてみたりするのもいいでしょう。自分のキャリアチャートを確認し、キャリア・アンカーを知っておくことで転職に求めることが整理でき、転職後のミスマッチも防ぐことができます。
キャリアチャートの例
キャリアチャートは、縦軸を充実度、横軸を年齢とし、これまでの生活を振り返ってその時々の充実度をグラフに描いてみるもの。グラフを見て山や谷のポイントに注目し、そのときに自分がどうだったかを考えてみることで、自分がどんな事に充実感を覚え、どんなことに苦痛や不満を抱くかを客観的に分析することができます。
キャリア・アンカーの8つの分類
キャリア・アンカーとは、キャリアを選択する際に最も大切で、譲れない価値観や欲求、能力などを指し、図のような8つの項目に分類されます。自分のキャリア・アンカーが診断できるサイトなどもありますので、一度チェックしてみるといいでしょう。
Advice 02「会社を知る」
自分が望む働き方が叶うかどうか、希望する転職先の
会社についてよく知ることも大事です。
今の自分の状況を冷静に分析したら、次は転職先となる会社選びが始まります。その際に大切なのが、業種や業界に対する固定観念、会社のブランドイメージなどに左右されることなく、その会社の実情をよく知ることです。例えば、事務職は「残業がない」「女性が多い」というイメージを抱いている人が多いと思いますが、実際はそれぞれの会社によって異なります。しっかりと個々の企業研究をして理解を深めることが大切なのです。その際に、自分のライフプランを重ねて、入社した後にどうなっていきたいかをイメージしてみましょう。ロールモデルとなるような先輩社員がいるかどうかも、その会社を知る手掛かりになるでしょう。
例えばこんな項目をチェック!
- 女性管理職
の割合 - 女性の
平均
勤続年数 - 未婚の女性
社員の割合 - 子育てしながら
働く女性社員の割合 - 産休・育休の
取得実績 - キャリアパス
- 教育・研修体制
Advice 03「変わる勇気も」
転職は自分を変える絶好のチャンス!
固定概念にとらわれず、
キャリアチェンジも視野に入れて転職活動を。
転職をする際に、今一度考えてほしいのが「職種」です。転職をする際には、ついこれまでの経験やキャリアにこだわってしまいがちですが、同じ職種でさらに待遇や勤務条件がいい会社を探すのは難しい場合も多く、転職機会を狭めてしまうことにもなりかねません。そこで転職を機にキャリアチェンジにチャレンジしてみてはどうでしょう。キャリアチェンジを選択肢のひとつに加えることで、選べる転職先も広がります。職種を変えたことで、憧れていた企業に転職でき、活躍のフィールドを広げた例もみられます。転職は職場を変えるだけなく、自分を変える機会ととらえ前向きにチャレンジしてみてください。
杉本美晴(すぎもとみはる)さん
アット・ワンス株式会社 代表取締役
日本女子大生研究所 所長
アドバイザー杉本 美晴(すぎもとみはる)さん
プロフィール
金城学院大学文学部社会科学科を卒業後、IT企業に入社。
その後、退職し、OAインストラクター、マナー教育インストラクターとして活動。
2001年に有限会社アットワンスを設立し、代表取締役に就任。2007年にアット・ワンス株式会社に改組。さまざまな大学で講師として活躍しながら、2012年には金城学院大学大学院博士課程人間発達学専攻前期課程修了。2016年から女性リーダーに関する研修を再開し、日本女子大生研修所を設立。女性リーダー育成研修、コーチング、ビジネススキル、ビジネスマナー、クレーム対応等、幅広く活躍中。